鈴木郁雄

プロフィール

株式会社ケンティッシュ ジャパン 代表取締役

オーバーシーズ・ユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつソシエテ ジェネラル銀行東京支店に勤務。外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入。ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。
2001年10月為替情報会社ケンティッシュ・ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン、ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた分析には定評がある。独自に開発した「ペットでも判る簡単チャート」は一つの通貨ペアでは不十分なチャート分析でも、二つの通貨ペアの組み合わせることによリ、リスク軽減を図りながら、為替相場の楽しみを倍増してくれます。

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“鈴木郁雄のFX実践ストラテジー”2つの通貨ペア乖離幅トレーディング

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“鈴木郁雄のFX実践ストラテジー”

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●為替モーニング東京市場 【サンプル】

予想レンジ

ドル円 79.00~80.30
ユーロ円 97.00~98.80
ユーロドル 1.2200~1.2380
豪ドル円 80.50~82.30

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先週末に発表された6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数は前月比
8万人増にとどまり、雇用者数の伸びは3カ月連続で10万人を下回っている。
また、市場予想の9万人増をも下回る結果となり、米連邦準備理事会(FRB)
における量的緩和第3弾(QE3)への期待感は後退している。

一方、米雇用統計の悪化を背景に、市場全般にリスク回避の動きが
強まると同時に、NYダウは12,800ドル割れまで下落する中、ドル円及び
ユーロ相場は上値の重い展開を強いられている。
ユーロドルは一時1.22台半ば近辺まで下落、年初来安値を更新する場面が
あったが、スペインが2009年以来2度目のリセッションに陥り、税収不足
が懸念される中、歳出を更に削減する必要があると強調、そして、
イタリアも付加価値税(VAT)の増税を先送りし、歳出削減を実施すること
を閣議決定するなど、ユーロ財政危機の鎮静化に向けて、
各国共に苦肉の策を繰り出している関係上、ユーロ売りに一服感が
生じている。ただ、重債務国側からの見解であるため、未だに懐疑的との
見方が先行しており、ユーロの戻りの鈍さに繋がっている。

他方、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、日本の円売り介入は
他国と協議した場合に正当化されると述べる中、安住財務相も円高進行は
日本経済の下振れリスクであるとの認識を示し、為替市場の動向を注視し、
適時適切に対応するとの姿勢を明らかにしている。
とは言え、相対的に円相場に対する材料としては新鮮味に欠ける内容では
あり、積極的に円売りを仕掛ける材料には至っていない。

戦略的には、ドル円は下値堅調と判断し、引き続き79円台前半から
押し目買いを勧めると共に、80円前後からナンピン売りで待機することを
勧める。
一方、ユーロドルは、依然として下値懸念が残るが、当面、1.2200~1.2400
までレンジ幅を拡大し、1.22前後から押し目買いを勧めると共に、
1.24前後からナンピン売りで待機することを勧める。

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★邦銀勢によれば、輸出入企業共に、週明けの反応待ちであるが、
輸出企業は引き続き、80円台以上からナンピン売りで待機している模様。
一方、輸入企業も79円前後から押し目買いで待機姿勢を強めている模様。

★海外勢によれば、損失確定売りが優先され、上値の重い展開と判断し、
現状では、一部1.23台半ば前後からナンピン売りで待機していると共に、
1.22割れから少なめの押し目買いで対応している模様。

★クロス円は、ポジション解消売りが先行しており、上値の重い展開で
はあるが、ユーロ円は戻り売りを軸に、98円台半ば前後からナンピン売り
を勧めると共に、97円割れから少なめの押し目買いで待機することを
勧める。
一方、豪ドル円は80円台半ば割れから押し目買いを勧めると共に
82円前後からナンピン売りで待機することを勧める。

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■市場ストップロス・オーダー状況■

通貨 売り 買い
ドル円 78.75   80.55
ユーロ円 96.80   99.80
ユーロドル 1.2185    1.2410
豪ドル円 80.25  82.00

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表示(△=プラス▼=マイナス ☆新規/★実行済み SL=ストップロス。
本レポートは朝夕2回配信及び祝祭日は無配信のためSLのみ提示。
指値注文タイムリミット:東京市場(17:00)海外市場(日本時間5:00)。
SL/SP(損失確定/利益確定)は最大100bpts前後を目処に実施。
最終のご判断は自己責任にてお願いいたします。
執筆:鈴木郁雄氏

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